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傷つきすぎの生む過去と未来のパニック「キレる私をやめたい」

おはこんばんちは。KKOです。

今日は漫画の紹介です。

田房永子作「キレる私をやめたい~夫をグーで殴る妻を止めるまで~」

母がしんどい等生きづらさをテーマにした漫画をたくさん描いている田房さんの漫画です。ある特定の人にキレる自分を直そうと奮闘するエッセイ漫画です。

半年ほど前私も些細なことで異常にキレまくっていたので買ってみて、キレがおさまったので感想をゆっくり書いてみようと思います。

 

 永子(作中ではキャラクター化されているのでこれで行きます)は基本的には争いを好まず穏やかな人であった。

しかし夫には些細なことで異常なまでにブチ切れてしまう。

夫の悪いを数値化して10くらいだったら300くらいの怒りで返してしまうのだった。

そんなキレる自分を直そうと奮闘するエッセイ漫画だ。

永子はいわゆる毒親育ちで物凄いストレスを受けて育ってきた。親元を離れてからも影響はなくならず、モラハラ元カレにいじめられて、いまいちそれをおかしいと言い切れずに生活してきた人だ。

代表作「母がしんどい」は試し読みしただけですごく泣けてきたので、正直勇気がなくて買っていない。母がしんどいを読んでいたら合点のいくところも出てくる本だと思うが、本作だけでも完結しているので大丈夫だ。母親のことも元カレのことも説明されている。

 

前述のとおり永子は基本的には穏やかである。しかし、母、元カレ、夫にはブチギレ経験を持つ。

永子のキレはすさまじく、些細ないさかいで夫の肩をグーパン、一人で失敗したときはヨーグルトを投げ踏みつぶす、子供にもはったおしたいという衝動が湧いてしまう。

ついには夫との些細な喧嘩で衝動的に警察に電話、大ごとになってしまった。

この警察とのくだりは枠線外に「あー書くの勇気いるなー」と書かれているほど、作者にとっては汚点のはずである。それを正直に描いたその勇気になんだか勇気づけられた。

エッセイもので自分の汚点をひけらかすことができる人は本当に強い人だと思う。実際に作品もそういったものが興味深く読まれるのだと思う。

これではいかん、キレる私を止めたい!と様々なセラピーを受けてみて、永子にぴったりだったのはゲシュタルトセラピーだった。

 本書に書かれていた内容を簡単に説明すると座布団をいくつか用意して、キレているときの自分、穏やかな時の自分、キレる原因となっている人、等がそれぞれ座布団に座っているところを想像して、それぞれの人物に話しかけたり、なりきりをしてどんなセリフを言うか想像してみたりするといったものだ。状況ではなくそれぞれの心に接するように想像していくのがポイントであるらしい。状況の後ろに隠れた心にアクセスすることで混乱を解いていくという感じに思えた。

 

これに似たセラピーを私もやったことがある。ねぎらいのワークと言われるものだ。

超簡単なワークで、椅子を向き合うように二つ用意して、片方に座り、もう片方に自分が座っているところを想像し、ねぎらいの言葉や、ほめる言葉をかけてあげるというものだ。実際にはマインドフルネスのように自分の状態に目を向けながら行うのでゆったり時間をかけて行うのがいいと思う。手伝ってくれる人がいるなら、「座っている自分を想像してください」「どういう感じがしますか?」「座っている自分はどんなふうに見えますか」等誘導してもらうのがいいだろう。

閑話休題

 

ともかく、ゲシュタルトセラピーで怒りが一時的に落ち着き、確かな効果を実感した永子。ゲシュタルトセラピーによって、永子は自己評価が最低値に落ちていることを自覚し、少しの指摘に過敏に反応してキレているということに気が付く。何か言われたときに常に「これ以上どうしろっていうんだよ!これ以上傷つけるようなことを言うな!」という気持ちが爆発していたということだ。

また「今、ここにいる」マインドフルネスをすることで落ち着きも取り戻し、夫のいうこともキレる前に耳に入るようになってきた。

そして最も大切なこと「暴力って絶対に無意味だ」ということに子供を通して気が付く。

セラピー後に様々な気付きを得ることができた永子。

この本で最も「なるほど!」とうなずいたのは、キレる=過去と未来を行き来してパニックになった結果であるということだ。

 


何かトラブルや嫌なことが起こる

未来に悪いことが起こると勝手に決めつける

頭がいっぱいになってクッソつらくなる

過去にうまくいかなかったことに原因を求める

過去と未来に意識が行ったり来たりしてパニックになり、頭が処理能力を超えてキレる。(この時点で意識は今、ここにないので適切な対策や対応が取れない)

 

要約するとこんな感じだ。私がキレていたのはまさにこのパターンだった。

ダメな自分で頭がいっぱいになり、適切な行動がとれず、キレる、手が出る。

私の場合原因は仕事のストレスとプレッシャーがうまく解消できずにこのキレる流れに入っていたように思う。

だから「今、ここ」に目を向けるマインドフルネスでいったんリセットするのが効くのだ。

本の最後では、怒る、喧嘩することはあっても必要以上にキレることはなくなって、めでたしめでたし。

 

 

傷つきすぎてパニックになり、キレるというパターンを見ていて思った事がある。「最近の若者は少し怒っただけですぐにダメになる」という意見についてだ。ゆとりゆとり言われる世代なのでよく目につく。

このダメになっている若者は、怒られ慣れていないからすごくへこんでしまう人ばかりではなく、今までに怒られすぎて、些細なことで怒られたときにもうだめだ!とパニックになって再起不能になっている人もいるのではないだろうか。

特に道を外したらもう終わり!という意識が強い人は余計にこの傾向にあると思う。

 

そもそも傷つきすぎた人間

トラブル、怒られる

もうだめだ!人生終わりだ!パニック

逆切れ、必要以上のへこみ

近頃の若者は……(これは何に関しても言われるのでいらない)

 

本書の内容から考えるとこういうルートもあると思った。

なんにせよ、キレるだけでなく、パニックになりやすい人には確実におすすめの本。

泣いてしまう、逆切れ、必要以上にへこむ、体調を悪くしてしまう。こういった傾向のある人には役に立つと思う。

絵も緩くてささっと読めるのでぜひ読んでほしい。近くにキレやパニックになりやすい人がいて困っている人にも読んでほしい一冊だ。